心房細動のお話
開院して1ヶ月、胸部の診察をさせていただくなかで、お一人ならず、今まで指摘されていなかった「心房細動」という不整脈が認められました。
心房細動は、心臓の中の「心房」という部分がブルブルと震え、心臓の拍動が規則正しくなくなる状態です。動悸などの症状がある場合もありますが、自覚症状がまったくない場合もあります。ご高齢者や心臓疾患の方、高血圧、アルコール摂取が多い方などによく見られます。
心房細動は心不全や脳梗塞などの合併症を引き起こすことがあります。治療法には、細動を止めて規則正しい脈に戻す方法(薬物、カテーテルアブレーション)や、薬で心拍数をコントロールする方法があります。また、脳梗塞のリスクが高い場合は抗凝固薬(血をさらさらにする薬)を処方します。
心房細動の発見には聴診が役立ちます。特に心疾患と言われていない方でも、原則診察のたびに聞かせていただいているのは一つにそういった理由もありますので、どうぞご理解のほどよろしくお願い致します。
最近では、血圧計やスマートウォッチでも脈の異常を検出することがあるようですね。心配なことがあれば、お気軽にご相談ください。