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診療報酬請求事務能力認定試験へのチャレンジ

[2024.02.29]

クリニックを開業するにあたり心配なことがありました。

それは、自分自身「診療報酬に関する知識が足りない」ということです。

日本は国民皆保険の国であり、被保険者であるみなさまが医療機関を受診すると現物給付(つまり医療)を受けられます。そして診療にかかった費用に関しては、保険者と被保険者が一定の割合で負担します。この診療にかかった費用を診療報酬といいます。

診療報酬は定められていますので、同じ条件で受けた医療については、日本全国どこで受けても同じ費用になります。

わたくしたち医師は、大学で医学、医療については学びますが、それを支える診療報酬については、少なくとも20数年前、私が学生の時代は、ほとんど勉強する機会がありませんでした。そして知らないまま仕事をしてきました。(なんとなく経験では覚えていきましたが)

そこで、開業前に診療報酬について勉強しよう、と決意したのですが、どうせなら資格試験に挑戦して、より精密な知識を身につけたい、と思いました。

医療事務の資格試験も色々あるのですが、どうせなら難しくて実践的な試験を!

ということで、合格率3割程度、年2回開催される「診療報酬請求事務能力認定試験」にチャレンジすることにしました。

厚生労働省が設置した委員会の報告書に基づき設立され、公益財団法人として内閣府より認定された「日本医療保険事務協会」が主催している...とのこと。

医療・介護保険や診療報酬に関する知識問題に加え、実際の診療報酬明細書(レセプト)の作成実技試験もあります。

 

「診療点数早見表(医学通信社)」と、「2023年度版診療報酬請求事務能力認定試験(医科)合格テキスト&問題集(日本能率協会マネジメントセンター)」を購入し、勉強をスタートしました。

いざ勉強を始めると、「今までよくこれを知らずにやってきたな」という知識が非常に多かったです...。

レセプト作成実技に至っては、当初は完全に「ちんぷんかんぷん」でしたが、次第に形式にもなれ、求められる内容を記載できるようになりました。しかし入院レセプトの手術・麻酔の点数計算が難しすぎて、なかなか完全に正解できない状態が続きました。病院で働く医療事務の皆さまを心から尊敬しました。普段実際自身が診療を行っているわけでもないのに、他人が書いたカルテを理解してこんなに難しい明細書を毎月作成するとは...なんてすごい人たちなんでしょう。

そして2023年12月に受験し....無事に合格!先日認定証が届きました。

医療DXが推進される中ではありますが、電子カルテを運用する上でも、紙ベースの基本を身につけられて満足しました。

まだスタートラインに立ったばかりではありますが、今回身につけた診療報酬に関する知識を、クリニックでの適正な保険診療に役立てていきます。

また、知らないことは自ら学ぶ姿勢で、これからも成長していきたいと思います。

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