下肢静脈瘤について
足に静脈が浮き出ていたり、ぼこぼことコブになっていませんか?
これは下肢静脈瘤という病気です。
静脈は血液を心臓に返す血管です。足先から心臓に向かって、重力に逆らった流れになっていますが、逆流しないように「逆流防止弁」がところどころについています。この弁が加齢とともにいたんできて壊れてしまい、逆流してしまうのです。
弁が逆流すると、それより下にある血管の血圧が上がって血管壁に負担がかかり、静脈瘤を形成します。
静脈瘤があるだけならまだいいのですが、長年その状態が続くと、逆流の影響から、足がむくんだり、だるくなったりします。夜間から朝方にかけてこむら返りをおこす方もおられます。さらに悪化すると皮膚にかゆみや色素沈着がでたり、潰瘍ができたりします。
当院では、症状のある下肢静脈瘤患者様に対し手術や薬物治療を行っています。手術/治療の方法には5通りの方法があります。
① 下肢静脈瘤血管内焼灼術:悪くなった静脈をカテーテルで焼いて閉塞させる手術
② 下肢静脈瘤血管内塞栓術:悪くなった静脈に接着剤を注入して閉塞させる手術
③ 下肢静脈瘤抜去切除術:悪くなった静脈を抜いてしまう手術
④ 下肢静脈瘤高位結紮術:悪くなった静脈の根元を結紮する手術
⑤ 下肢静脈瘤硬化療法:悪くなった静脈に硬化剤(薬)を注入して閉塞させる治療
根治性(完全に治せるかどうか)や、手術の侵襲(体に対する負担)はそれぞれ異なります。また、持病や定期内服されている薬によっては、手術や治療に差しさわりがあることもあります。
まずは患者様の足の状態をエコー(超音波)で念入りに検査し、手術/治療が必要かどうか、手術/治療するとしたらどの方法が一番良いのかを考えていきます。
また、手術/治療が必要ない場合や、手術/治療を希望されない場合も、必要に応じて圧迫療法や運動療法などの指導を行います。
下肢静脈瘤に対しては、ライフワークと考え熱意をもって診療しております。
足の症状でお悩みの方は、まず一度ご相談にいらしてください。