血圧の測定方法
高血圧は非常に頻度の高い生活習慣病です。
40-74歳の日本人男性の60%、女性の41%が罹患しています。
75歳以上になると、男女共に70%以上が高血圧の状態です。
皆様の中にも、「健康診断で血圧が高いといわれた」という方がおられるのではないでしょうか?
一度の血圧測定だけで高血圧と診断されるわけではありません。少なくとも、何回かの測定で基準値を超える場合に診断します。
特にご家庭での血圧が非常に大切です。
なぜかといえば、健診や診察室での血圧は「緊張した」状態での血圧で、普段の状態ではないからです。
「血圧が高い」と言われたら、まずはご家庭で血圧を測ってみていただきたいのですが...
「血圧測るっていつ測るの?」
「どんな機械がいいの?」
疑問は尽きないと思います。
お勧めの測定方法:
①機器
これから購入する場合は、上腕式がおすすめです。手首ではかるタイプは、手首の高さや姿勢がずれると数値が変わってしまうため、うまく測るのが難しくなります。
②測る時間
朝と夕の2回がおすすめですが、忙しければどちらか1回でもかまいません。
朝はトイレの後、朝食の前、朝のお薬の前に測りましょう。コーヒーやたばこ(は吸ってほしくないですが...)は、血圧測定の後にしましょう。
背もたれのある椅子に座って、1-2分ゆっくりしてから測定してください。
夕方については、ご都合の良い時で構いませんが、入浴直後と飲酒後はやめましょう。血圧が低く出てしまいます。
③測定の回数
一度に2回測定して、平均するのが良いといわれています。めんどうなら2回分書いておくだけでもいいでしょう。(ちなみに、二回目の方が少し数値が下がることが多いです。)
④記録
血圧手帳を外来や薬局でお配りしている場合もありますが、普通のノートに書くだけで十分です。手帳や日記の端に書いておくのもいいですね。最近ではアプリもあります。
⑤どこからが異常?
血圧の基準値はご年齢や合併症によっても異なりますが、おおむね平均が135/85mmHgであれば高血圧となります。
以上がおすすめの測り方になりますが、全てを実行できなくても大丈夫です。まずは測って記録する、ということを始めてみてください。
重要なのは「毎日自分の健康をきづかう」という意識です。血圧を測る時間は、自分を大切にする時間です。1日に何度か、自分の健康を振り返ることで、きっとよりよい毎日を送ることができますよ。
参考:
日本高血圧学会
高血圧治療ガイドライン2019